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「もしも、もしもだよ?もう一度幸福草の種が手に入ったとしたら、婆さんは何を願う?」 僕は恐る恐る聞いてみた。 「そうだねぇ、世界を一からやりなおさせる、ことを考えてた。でもそれは若いあんたたちに託すことにしたわ。もし、今、もう一度幸福草の種が手に入るなら…永遠の安らかな眠りを願うね」 僕は聞いたことを後悔した。それは僕らと婆さんとの別れを意味するものだから。 「そんな淋しそうな顔するならもう二度と同じことを聞くんじゃないよ」 婆さんは僕らと同じくらい淋しそうな顔をした。 「ごめん」 僕らは謝った。 「謝らなくて良い。その代わりあんた達がこの世界を変えなさい」 婆さんがとんでもないことを口にした。 「僕らが?こんなちっぽけな僕らが?」 僕は驚いて聞き返した。 「そうさ、あんた達が世界を変えるの」 婆さんは当たり前、とでも言うような顔をして答えた。冗談ではないことくらい僕にもよく分かっていたけれど、僕らに出来るのか? 「本気で言ってるの?僕らに何が出来るって言うの?」 カイも信じられないというように聞き返した。 「まっすぐなあんた達なら、歪んで荒んでしまった心を、世界を、あんた達のまっすぐな心で正すことが出来る、そのためならいくらでも知恵を貸してやるわ」
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