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僕の住むムタ王国には5,000万程の人間が住んでいる。近隣諸国から比べれば多いほうらしい。 王国には王区と第1から第15までの管区、管区内には特区、AからJエリアがある。 王区はムタ王家と王家に仕える住み込みの使用人が約1,000人。 第1管区特区には王族のムタ家その他親類からなる約2万人。政治家、役人とその家族、使用人は第1管区AからDエリアに10万人。 第2から15管区それぞれの特区には管区エリアを管轄とした治安維持や出生死亡関係、いわゆる警察や消防、市役所等の仕事に従事する者とその家族がそれぞれ約5万人。 第2から4管区には金持ちの一般市民、と家族が約410万人。 第5から14管区には一般市民とは呼びがたい貧困層が約4000万人。 第15管区のみ特殊で、ここは重犯罪者が住む管区で特区以外のエリアもなく、その人口は500万人ともいわれているが、実は正確な人口すら把握しきれていないらしい。この国では重犯罪者を隔離する「施設」はない。重犯罪者は全て第15管区に送られる。国でいちばん恐れられている漆黒の森が大半を占める場所に…。 漆黒の森とは、その名の通り昼でも真っ暗な森。入った者が誰一人として戻ってこないため、処刑の場としても使われ、「この世の果て」との噂も…。
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