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僕はコイツとの契約で、夢の中で夢を蝕む奴らをやっつけなければならない。僕の安眠ライフを再び実現させるために。そして……
「早く親玉を見つけだして私を牢獄から出して貰わないと、しかし、お前の今の技量では何時になることやら」
白髪の男はやれやれと重いため息をついた。
コイツは昔”禁術”とやらを使ったらしくその代償として、時の牢獄に監禁されている。
今は僕との契約で少しは実体化出来るらしいがそう長くは続かないし、本体はまだ牢獄で監禁されているのである。
彼が牢獄から解放される為には、その牢獄に投獄したという親玉を叩けばいいらしいのだが、最近契約したばかりの僕では下級でさえもなかなかやっつけることが出来ない現状である。
「仕方ない。稽古をつけてやるから今すぐ寝ろ」
「えー、今居眠りしたばっかじゃん。また此処で寝ろってか?」
僕の言葉に男は僕のおでこにデコピンを施す。
「あいてっ!」
「阿呆か、炬燵なんかで寝ると風邪を引くだろうが。向こうでもちょっとのミスが命取りなのだから、体調不良なんか許さんぞ。あと、ちゃんとした戦い方が身につくまでお前に休む暇などない。さぁ、布団へ行け」
そう言って男は消えた。多分、実体化の制限時間が過ぎてしまったのだろう。
「仕方ないなぁ、安眠ライフの為か……」
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