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あれから約20年の月日が過ぎ、僕には二人の子供が出来た。
一人は今さっき僕のボタンを欲しがった女の子。
名前は初音(はつね)。
そう、あの魃禰から名前を取った。
歳は11歳。
大人顔負けの事を言い、僕と妻を困らせる。
でも、そこが可愛い!!
あ…結構、親バカなんです僕。
そしてもう一人は初音の兄の一真(かずま)。
これも言わなくても解ると思うんだけど、僕の親友の一馬から名前を取ったんだ。
名前のお陰か足が早く頭が………言わないでおこう…。
歳は15歳。
顔はどちらかと言うと妻に似ている。
妻とは大学で知り合い直ぐに恋に落ち結婚した。
そして可愛い我が子を授かった。
二人とも僕の大切な宝物だ。
一馬のお陰で鬼が出没したと言う噂は聞いていない。
ワイドショー何かでも取り上げる事は無くなり、鬼が居たという事実を語る人間も減った。
まるで始めから鬼は存在していなかったかの様に…。
でも僕の手元にはボタンがある。
そして鬼ごっこ中に殺人者に刺された傷も。
鬼ごっこが終わって僕は直ぐに交番に戻り学校で起きた事を交番巡査の人に話し病院へ行き、傷口を縫った。
その傷跡がいまだに消えずに残っている。
そして僕は魃禰の消えた日から一ヵ月後に魃禰の希望を叶える為、傘を持ち魃禰の家へ。
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