満月の夜に

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そんな一馬に僕はゆっくり、同じ質問をした。 すると一馬は、頭を押えたまま首を横に振るだけで何も言わない。 一馬は柔道をやっていて、見た目は男らしいが中身がアホでドジ…。 ある意味、残念。 まぁ…今はそんな事どうでも良いか。 僕は一馬のメールと自分に送られて来たメールの内容が全部同じだと言う事を確かめ、一馬にボタンを貰ったのか?と、冷静に尋ねた。 「貰った…お前のと同じ奴…。」 携帯を入れていたポケットとは別のポケットからボタンを出し、机の上へ。 僕はそれを手に取り確かめる。 やっぱり、これも同じだ。 細かな彫刻。 違う所と言えばボタンの色。 僕のは黒で、一馬のは濃い青。 「お前、このボタンを誰から貰った? メールの鬼が誰なのか知ってるの? 鬼は何人いる?」 僕は気になった事を次々、一馬に質問する。 だけど、予想通り一馬は 「知らない…。」 とだけ呟き、俯いた。 「しっかりしろ!!これは手のこんだ悪戯だ!! 僕達の知ってる誰かが僕達を怖がらせようとしてやってるんだよ!! きっと…ただの手のこんだ悪戯!!」 僕は一馬を元気づけようと思い、力強く(本当は自分がただの悪戯だと思いたいから)言い、肩をバシバシ叩いた。 それなのに一馬は俯いたまま、乾いた声で 「ははは…。」 と笑う。 「…?」 何で笑えるんだ?と思い、僕は一馬を見る。
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