満月の夜に

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すると一馬はポツリポツリと、呟き始めた。 「俺…これが悪戯じゃないって知ってるんだよ…。」 依然として、一馬は俯いたままだ。 「…。」 僕は一馬の言葉が気になり、何か話そうとしたけど黙って一馬の話しを聞く事にした。 何故なら…僕が探し求めている真実が解るかも知れない…と思ったから。 真実、それは「鬼ごっこ」の事。 「何で俺が悪戯じゃないって事を知っているのか話した方が…良いよな…。 うん…話した方が良い。 涼弥は俺の友達だから…。」 一馬は誰に言う訳でもなく独り言、自問自答している。 「涼弥!!」 一馬は急に、僕の顔を見た。 「何だ?」 僕は生唾を飲み、一馬の口から出る言葉を待つ。 「お前は俺の大事な友達…親友だよな?」 この一馬の言葉に、僕は深く頷く。 すると 「良かった…それじゃぁ話す。」 言い、一馬の弱々しい瞳に鋭い光が宿った。 水をえた魚みたいな感じかな。 「何で悪戯じゃないって知ってるのか? それは前に…そうだな5年程前。 それくらい前に、俺と仲良くしていた親友の金城悠斗(かねしろ・ゆうと)って奴がいたんだけど、あいつの所にボタンと…携帯に鬼からのメールが届いたんだ。」 僕が手に持っているボタンと携帯に視線を向けた。 ボタンと鬼からのメール。 今の僕達と同じ現状。
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