満月の夜に

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家に着いた僕は、ポケットから紙切れとボタンを取り出し、携帯と一緒に机の上に置いてベッドに横になった。 「はぁ…ご飯作るの面倒だな…。」 溜め息混じりに独り言。 高校に進学する時に一人暮らしを始めた。 だから、自炊は自分でしてる。 だけど今日は…する気が…。 僕は頭の真上に置いてある目覚まし時計に、手を伸ばした。 『7:30』 外が明るいから、まだ5~6時位だと思ってたけど…もう、こんな時間か。 「7月も半ばだしね…。」 よくよく考えたら明日は、終業式だ。 そして明後日から夏休み。 すっかり忘れていた。 「まっ、良いか。」 僕は独り言を呟き、目を閉じた。 ――――――――――――― 『チャラリラリ~♪』 「ん…。」 片手で目を掻きながらベッドから起き上がり、キョロキョロと音の犯人を探す。 あぁ…机に置いてたんだ。 僕は眠気眼(ねむけまなこ)のまま立上がり机の前へ。 『ガツッ!!』 「…!?」 声が出ない。 机とセットになっている椅子の脚に、自分の足の小指を強打。 悶絶。 暫く僕は、そこに蹲り(うずくまり)足の小指をマッサージ。 すると…いくらか痛みが和らぎ僕は、再び立ち上がった。 そして心に決めた。(今度からはちゃんと目が覚めてから動こう。) 『ピッ!』 僕は音の犯人、携帯を開いてボタンを押した。
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