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2018年から未来の未来、そのまた未来の時代。
未来であるが故に我々とは僅かに価値観が違うが、一部を除けば現代となんら変わりない街並みがあり、人々が住む。
もしもタイムマシンを作ってこの時代にやってきたとしても、場所によっては今よりもかなり幸せに暮らせるだろう。
だがほとんど変わってないと言っても全てが変わっていない訳ではない、科学の技術は2018年よりも比べ物にならないほど発展したし、地球温暖化の問題は全て解決した。
他にも色々変わった事があるがその中でも1番奇妙で普通なら信じられない変化が、魔力を消費して発動する超常的な能力、『魔術』が使えるようになった事だ。
魔術が使えるようになったせいで格差が顕著になる時代が一時期続いたが、それも1000年以上前の話で、今では才能などなくても練習すればその分だけ強くなれる、ある程度平等な世界が続いていた。
最低でも4年前のあの日まではそのはずだったのだ。
昔、世界中の魔術式を管理・製作している会社の社長や重職の者達が極秘裏に製作し、そのあまりもの力に製作部の者にもその存在を伝えずに地下3000キロの地点に埋めたはずの錬金術の魔術式。
それがあるべき場所から盗み出された事が、4年前|催(もよお)されたその会社の記者会見で明らかになり、その会社の社長によると
「このままでは世界は支配されてしまいます!人類一丸となってその泥棒を捕まえましょう!」
その最悪な一言のせいで世界の人々は狂乱の渦に巻き込まれた。
その魔術式を泥棒から取り返し、最強になろうとする者、億万長者になろうとする者、世界を取ろうとする者。
そんな者たちは自分だけが錬金術を使いたいがためにどんな事でもした、たとえ犯罪でも軽々しく犯した者も居た。
そんな奴らのせいで世界の治安は人類の歴史で類を見ないほど悪化してしまい、これらの要因で守る・戦う・癒す魔術式が高騰し、現在になって少しずつ縮まりつつあった貧困の差が更に広がってしまった.....
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