日常

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風で周りの花々が揺れると、サラの見ているとついつい微笑んでしまいそうな幸せな笑顔が草花の隙間からガイの視界にちらつき、ガイ自身も微笑むとサラがガイの方を見つめてこう言った。 「お兄ちゃん、作ってくれてありがとう!」 突然の事でガイは少し顔を赤くし、照れ隠しのように頭を爪を立てないように掻いた。例え万人から様々な自身の手先の器用さを評価する言葉が送られたとして、このアルプスの少女とほぼ変わらない年齢の少女がガイに送った礼のような純粋な礼に勝る物があるはずもないとガイは確信する。 急にガイのお腹から音が鳴り、数秒ほど置いた後、ガイと一緒にサラも笑った。 「お兄ちゃんお腹すいてるの?だったらこれあげる」 サラはポケットを漁って個包装に包まれた飴玉を取り出し、そしてそれをガイに見せ付けるように個包装を剥がして手の平に乗せた。 「本当にいいのか?」 「うん!」 「じゃあ半分こにしようか。」 そう言うとガイは魔術で風の刃(エアナイフ)を造り出し、それを天に高く持ち上げてサラの手のひらに向けて落下させた。 それは断頭台の刃の様に落ちながら加速をつけていく。 サラはこれを見て目を閉じた。きっとサラはこれから受けるとであろう痛みと、これから見るであろう痛々しい手の傷跡から目を背けるために目を閉じたのだろう。     
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