日常

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「何でこんな事になってるのかなもぉ!!」 先ほど少女を追っていた女性、レイナがやっと泣いている少女を抱いて共に泣いている男性と言う異様な光景の前にたどり着き、2人に心を落ち着かせる魔術を使う。 正気に戻ったガイがレイナの瞳を見つめて気付く。いつもはエメラルド色のレイナの瞳が黒色に変色している事に。そういえば以前ガイは彼女からあまり急いで回復系の魔術を使うと瞳の色が黒色に変色するのだと。 「本当に申し訳ない。」 とガイは土下座をする。彼女の瞳の黒色化は周りの景色が僅かに黒くなって周りが見えにくくなる。自分のせいでそんな弊害を負わせてすまないと思ったからだ。 「反省してるなら許す。」 レイナ先生は優しすぎるとガイは思った。確かに弊害は周りが見えにくくなるだけかもしれないが、今のご時世周りが見えないと言う事はどうぞ私に悪事を働いてくださいと言ってるようなもので、窃盗、暴行、果てには誘拐され、ごうk…ともかくいくらガイの住んでいる街が他の街と比較的治安が良いからと言って犯罪が無いわけではないのだ。それでも自分が受けるかもしれない弊害を考えず咄嗟に魔術を使うなんて誰も中々出来ない。 「そういえば何で家出したのサラちゃん?」 休憩も入れずにセラから理由を問いただそうとするレイナ先生。 ガイはいくら心を落ち着かせる魔法をかけたからって直ぐに問いただすのは駄目だと言おうとしたが、それはサラを焦らせ最終的に泣かせた自分が言っていい事ではないと思い、口を(つぐ)んだ。 「だって・・・」 サラが何か言いにくそうにしていた。レイナ先生は更に急かすように『だって?』とセラが言った事を復唱した。 「虫歯の治療は痛いって友達に聞いたから・・・」 生まれてこの方虫歯になった事が無いガイはサラの友達が言っている事は本当なのか分からなかったのでレイナ先生の反応を窺うと、彼女はため息をついてサラの目線に合わせるようにしゃがんでいた。 「今の治療はほとんど魔法でやるから痛いことは無いんだよサラちゃん。」 「え、そうなの?」 レイナ先生が真面目な表情で頷くと、3人の間に沈黙が走った。 「ごめんなさい!私知らなかったから...」
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