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「あの時はほんとにびっくりしたわ。まさか五郎君がKENGOだったなんて。
て、あらあら。すっかりお眠ね」
昔話に夢中になるあまり孫が私の膝の上で熟睡してしまったみたい。
この子にはどんな出会いがあるのだろうか。どんな恋をしてどんな別れが待っているのだろうか。私は暖かな日差しに抱かれ、すやすやと眠る孫を見ると視線を仏壇に移した。
「あの世からこの子の成長をしっかりと見守ってくださいね。五郎さん」
私はそういうと重くなっていた瞳を静かに下ろし、眠りについた。
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