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カシュッ.. カシュッ..。
やっとの休憩でたどり着いた喫煙室。
今は喫煙者も肩身がせまいけれど、煙草だけは未だに辞められない。
さっきまでのストレスを増長するように、点かないライター。
カシュッ。...カシュッ。
もう嫌だっ!!
と叫びだしたい気持ちをライターにぶつけて投げつけてやろうかと思った時。
「ほら」
と、目の前に差し出された火。
ニヤニヤと笑う貴方の意地悪な顔。
「ま、一息ついたら頑張るべ」
ポンっと叩かれた肩が熱くなった。
それから三ヶ月。
あの日、貰った百円ライター。
残りのオイルはわずかばかり。
今、貴方の隣には素敵な彼女が居る。
「彼女が嫌いだから」とあっさり禁煙した貴方はもうここには来ないだろう。
シュボッ。
この火が点かなくなったら、
貴方への恋心は綺麗に消えてくれるだろうか。
今はまだこの火のように燃える気持ちを抑えながら..
誰もいない喫煙室で、
私は煙草に火を点けた。
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