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「……っ、……バッ、てめ……氷川っ!」
「そんで腹見せて引っくり返ってりゃ何されたって文句言えた義理じゃねえな? 雪吹、お前警戒心無さすぎだ。”ノンケ”の俺相手ならまさかこーゆー雰囲気にはならねえだろうってタカ括ってたってか? てめえでゲイだって告った時点で本来警戒しなきゃマズイだろうが」
「っ、くっ……はっ、氷川っ……よせって……のに!」
「今日は俺だからいいが――。他のヤツの前では絶対に気を許すんじゃねえぞ?」
「は……あ? な、に言って……ッあ……!」
片方の手で硬くなった雄を弄りながら、もう片方の手で不器用そうに自身のベルトを解いてファスナーを下ろす。そんな仕草に戸惑いよりも期待感で大きく心臓が躍り出す。
(ああ、俺、今からこいつに犯らちまうのか――?)
彼が脱いでいく仕草がとてつもなくいやらしく、それを見ているだけで今から起こることへの期待で身体中が打ち震えていくのが分かる。もはや意思がどうこうではなく、目の前の男と淫らな波に呑まれたいと身体が餓えて渇望しているのをはっきりと感じる。万感入り乱れるといったふうに冰はクッと瞳をしかめた。
(――いくらなんでも節操なくねえか、俺?)
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