愛する妻

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愛する妻

本浦慶輔(もとうらけいすけ)には妻がいた。 名前は本浦彩月(もとうらさつき)。 慶輔より2歳年下の主婦だ。 美人で聡明で、近所で噂の女性だった。 そして、慶輔はそんな彩月を溺愛していた。 しかし、彩月は突然死んでしまった。 彼女は脳死状態だった。 原因は分からない。 医者からは「2度と目覚めることはないだろう」と言われた。 慶輔はその事実を受け入れることができなかった。 そして慶輔は暴挙に出た。 眠っている彩月を病院から連れ出したのだ。 慶輔は彩月と一緒に住んでいる家を引っ越し、新しい場所に住むことにした。 新しい家もリフォームし、彩月が見つからないように広い地下の部屋を作った。 地下には彩月のためのベッドと、色々な機材や薬品が並べられていた。 実は慶輔はエンバーマーの資格を持っており、エンバーミングの知識があるのだ。 慶輔は彩月にエンバーミングを施し、地下に安置した。 慶輔は新しい仕事に就き、仕事から帰ると、真っ先に彩月の元へ行き彩月を眺めていた。 紙を洗い、体を拭き、メイクを施す。 それを毎日のように繰り返していた。 慶輔にとって、彩月と会う時間は至福の時間だった。 それが3年ほど続いた頃、慶輔にある変化が起きていた。
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