第二章 おじじと家族

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昼過ぎおじじがおんぶしてくれてうとうとするあたし。 それをよそに鳴り響く電話。 電話が終わるとおじじはあたしの頭を撫でて 「姉が熱出したって。迎えに行ってくるからいい子でね。」 嫌だ、行かないで。 あたしは思いっきり泣きわめく。 それでも遠くなるおじじの背中。 近付いてくるママンの足音。 あたしは二階の部屋に連れていかれた。 「なんであたしがこいつなんかの面倒みなきゃいけないのよ!男の子じゃないし!姉のように可愛くないし、産まなきゃよかった!」 ママンは罵声を浴びせながら蹴ってくる。 おじじ、早く帰ってきてよ。 姉よ、おじじを連れてかないで。 あたし死んじゃうのかな。 昨日も一昨日もその前もずっと殴られて蹴られてる。 姉は毎日のように体調を崩してばかり。 あたし姉なんか嫌い。 あたしママンなんか嫌い。 あたしパパンなんか嫌い。 あたしおばばなんか嫌い。 あたしはおじじが好き。 おじじ以外好きなんかじゃない。 あたしは遠のく意識とともに思った。
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