2. 遠夏

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 ソフトクリームはみるみる溶けていく。急いで食べる僕と、ぼとぼとこぼしながら気にもとめない渕上とで縁石の上をふらふらと歩いている。 「そういや、中道っちゃんは三浦ばまだ気にしとうと?」  渕上は唇の周りを白く染めて僕に訊ねた。 「違うっち言いよろうが」  そう思われるのはうんざりしながらも、僕は渕上に聞いてみたかった。 「ふっちー」 「ん?」 「三浦って何であんなんと?」 「気になるとね?」 「そんなんじゃなか」  渕上はふふ、と笑いながら、両手を後ろに回して言った。 「俺、1年とき同じクラスやったっちゃけど、三浦は最初から全然学校来んかった。ほんで、やっと来たと思ったら誰もかもガン無視ばい。理由が香椎丘なんか来たくなかった、て。もっと上の高校行きたかったとか言って。そんなん自分のせいたい。みんな呆れて、そっからずっとあげんなっとる」  振り向いた渕上は不機嫌そうな口許をうかべていた。それだけで本当に三浦の印象が悪いことは充分に感じとれた。
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