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「親父が申し訳なさそうに俺を呼んでいるときもあれば,怒り狂って暴れてるときもある……」
「それが毎晩っすか……?」
「ああ……親父が大人しいときは,まだ眠れるんだが……暴れてるときは,俺も精神的にやられる……」
「キツイっすね……」
「ああ……だが,おそらくだが,これから繁も同じような状況になるだろう……」
「あの……俺は……?」
「勝がどうなるかは,正直まったくわからん……。神山さんに相談する必要はあるだろうけど……」
「マジか……」
勝はガックリと肩を落とし,不安そうにした。
「まぁ,俺も神山さんから,俺の親父がどうなっちまったのかを聞いたってわけだ……」
繁と勝は,他に何を聞いたらよいのかわからず,呆然とした。
「それにしても……まさか,お前らもこの村の禁忌である姥魂様にかかわっちまうとはなぁ……」
「あの……それで,隆司はどうしたらいいんすか?」
「いまから神山さんに連絡する……それから,隆司をご両親のもとに届ける」
繁と勝は隆司がこんなことになってしまった罪悪感に押しつぶされそうになり,隆司の両親に合わせる顔がないと博史に助けを求めた。
「とりあえず,車を持っているヤツで手伝ってくれるのはいないか?」
「あ……じゃあ,純一を呼びます」
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