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「な……」
モモの言っている意味を一息に理解できず、美邑は言葉を詰まらせた。
モモが、美邑の身代わりになる? そして、美邑の中に眠る?
「だ――ダメだよ、そんなの! 絶対ダメっ」
意味が頭に染み渡るや否や、美邑は大声で怒鳴った。
「モモが、私の代わりにだなんて……っ」
「わたしは、ミクちゃんと違って、ほんとに家族なんていないし。ミクちゃん以外にわたしを知っている人すらいないんだから、なにも問題なんてないよ。でしょ?」
モモはあくまで微笑みながら、落ち着いて言い返してくる。どうして笑っていられるのか、美邑にはさっぱり分からなかった。
「あたしがモモを知ってる! 他の誰も知らなくても、あたしがモモを知ってるっ! それなのに、またいなくなっちゃうなんて嫌だッ」
「……いなくなるんじゃないよ」
モモの人差し指が、美邑の胸にトンと触れる。
「還るだけ。元の場所に」
そう言って、笑みを深くしながら、モモは美邑を抱き締めた。
「寂しくなんてない。わたしも、ミクちゃんも。だって、千切れちゃってたのが、また一つに戻れるんだもの。たくさんの思い出を胸に、ずっと一緒にいられるんだもの」
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