主に地獄

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酔っ払いのユリエは園児よりも厄介だった。何とかユリエを起こすと、管を巻くユリエをタクシーに乗せた。 「地獄に落ちてしまえ!」 ユリエは最後まで酔っ払って、何度も繰り返した。よっぽど彼のことを愛し、そして憎んでいるのだろう。本当に地獄だけでもあったら良いのに、ユリエの乗ったタクシーを見送りながら、朝子は思った。
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