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「あー、アホくさ。光蓮様の息子って聞いてもっと優しくて紳士な方なんだろうな って思ってたのに、全然違うじゃん!助けてくれたことは、例えどんな理由であれ感謝します。でも、私アンタみたいなヤツ嫌い。たった今、嫌いになった」
「……」
「ちょ、蘭殿!落ち着いてください!紅蓮様に悪気は」
「はぁ?あのね、悪気がなきゃこんな話し方しないでしょ!えらい人なのかもしれないけど、私には関係ない。だって、私はこの世界の人間じゃないし、私にとってコイツはえらくも何ともないもん!」
あちゃーと言いたげに頭を抑える虎太くんを見て、そこで初めて『やばい』と思った。
…………私を見つめる紅蓮様の瞳は相変わらず燃えてるみたいに紅いのに、なぜか寒気すら覚える。
「……おい」
「……あ、いや……」
やってしまった。
元々、気の強い性格が災いして……東雲家の次期3代目に喧嘩を売ってしまった。
自分が言ったことを思い出しては、顔から血の気が引いていくのが分かる。
「蘭、と言ったな?」
ねぇ、虎太くん。
この世界は、えらい人に喧嘩売ったりしたらどうなるのかな?
まさか、罪に問われたりしないよね?
処刑?処刑とかする?
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