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「何となく、そんな気がしたから」
別に特別な力があるわけじゃない私には、自分でも不思議って言葉でしか表現出来ないけど、
だけど、確かに
今、貴方の心は泣いている。
そんな気がするの。
「……お前、どこの娘だ?」
「え?」
「平良か?それとも安西か?」
深くため息をついて私に問いかける紅蓮様は、何だかさっきまでとは雰囲気が違って、思わず戸惑う。
あれ?さっきまでと何が違うんだろう?
確かに雰囲気は違うけど、それが何によるものなのかが分からない。
「おい、聞いてんのかよ」
「……あ、言葉遣い」
そうだ、言葉遣いが現代っぽい!!
この世界ではこんな言葉遣いしないんだとばかり思っていた。
しかも、この東州という場所を統制しているらしい東雲家の次期3代目が……だよ?
驚き桃の木山椒の木でしょ!
いや、待って、やっぱり今のナシ。
「俺が堅苦しい話し方をすんのは屋敷にいるときだけだ」
「今だって、屋敷にいるじゃない」
「……一々うるせぇ女だな」
めんどくさそうに答える紅蓮様に、勝手に親近感が湧いてしまうのは現代っぽい言葉遣いのせいだろうか。
なんだ、ちょっと分かり合えそうじゃん。
この世界の言葉遣いがしっくり来なくて、ちょっとだけ不安だったけど
そんな時は紅蓮様と話せばいいのか。
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