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───選ばれし巫女よ。
視界が歪んでクラクラする。
目を開けていられないくらい強い目眩が私を襲って、次の瞬間、目の前が真っ白になった。
───お前の力を必要とする者がある。
足に力が入らない。
もうだめ、立ってられない。
───蘭、力を解き放ちなさい。
……力?
何それ、私に力なんて……
───涼風家の名の元に。
涼風家の、名の元に…………?
だめだ、もう何も考えられない。
自分が立ってるのか、座ってるのか、はたまた倒れてるのか。
何なら起きてるのか、寝てるのかすら。
何一つ分からない。
だけど、とにかく温かくてフワフワして、なぜかすごく心地いい。
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