無い

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「どうするのよ!」  彼女が怒るのも無理はない。 「どこで落としたか分からないの!?」  時は、3時間前に遡る・・・・・・ ーーーーーーーーーー  俺、沼池智弘(ぬまいけともひろ)が、小林由紀乃(こばやしゆきの)と同棲を始めて一年が経った。  今日はこの後、同棲一周年を記念して、二人が初めてデートした水族館に行くことになっている。  時間も十三時入館と決めていた。なぜなら、その時も入館したのが十三時だったからだ。  昨夜は遅くまで二人でDVDを見て、その後更に二人でハリきったお陰で、九時半になった今でも彼女はまだ眠っている。  とは言え、水族館までは車で三十分も掛からないから、焦る事はない。  俺は気持ちよさそうなその寝顔をしばし眺めた後、ある用事のついでに軽い朝食を買ってこようとコンビニに向かう事にした。  手早く着替えて、彼女の耳元でそっと囁く。 「コンビニに、おにぎり買いに行ってくるね」  彼女は意識があるのかないのか、軽く手を振って「う、うん」とだけ言った。  
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