狼会長

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文化祭初日 準備は、全てうまくいった。 生徒主体のこの学校の文化祭はかなりの人気があり毎年失敗は許されない。 故に、我が生徒会もかなり頑張った。 生徒主体だから、バカにされないように大人から子供まで楽しめるように…。 そして、今高らかに鳴り響いた花火の音が開会を告げ生徒会長の挨拶が始まる。 容姿端麗、成績優秀、それでいて親しみやすさもある我が会長の人気は他校にも知れ渡るほど。 男女問わず人気があるせいか、開会の挨拶をする会長を見るためにたくさんの人がステージの前に集まっていた。 黄色い声援に、自作のうちわまで用意している子までいる。 『この晴れ舞台には、白のタキシードだ』と、少しアホみたいな事を言いながら自前で用意しそれを身に纏う会長の満足げな表情に思わず吹きそうになった。 「なぁ、姫…どうよ俺?」 「似合ってますよ…あと、名前で呼ぶのやめてもらえませんか。ほっんとうに嫌なので!」 名前の由来なんて言わなくて分かると思うが『佐倉 姫』恥ずかしくてタコになりそうな名前。 「姫にぴったりな名前じゃん!」 「はぁっ!会長、地味眼鏡女子をバカにしてるんですか!!!」 「してない、してない。俺よりも先輩に対するお前の態度の方がバカにしてるだろがー!」 「はい、少し。」 「ちょっ、おま…。」 先輩の言葉を遮るように言葉を続ける。 「ほら、時間ですよ!」 小さなため息を落としながら渋々とステージへと向かう会長。副会長として、その後ろをついていく。 ステージに上がった瞬間、歓声が倍に膨れ上がる。
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