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わたしはおちる。
わたしは落ちる。
学校の屋上から落下する。
彼の姿がどんどん遠くなる。
わたしは墜ちる。
学校の校庭が近付いてくる。
彼の顔が陰となって、その表情はもう見えない。
衝撃。意識の消失。暗転する世界。
わたしは死んだ。
でも、わたしはここにいる。
わたしのぐしゃぐしゃになった身体――自分の死体の前で腕を組んでいる。
死後の世界ってあったのね。
痛みも感じる暇がなかった。一瞬で世界が変遷した、そんな感覚。
でも、ま、これで。
わたしはくつくつと笑う。愉快な気持ちになっていた。
彼はわたしのこと一生忘れられないでしょう。
愉悦から恍惚へ。わたしは熱く吐息した。
わたしは自殺した。学校の屋上から飛び降りた。
切欠は些細なことだった。死ぬほどのことではない、大半の人はそう言うだろう。
思春期の高校生が誰でも体験する甘酸っぱい恋愛。そんな恋の縺れた痴情。訪れた悲しき結末。単純に言えば、失恋した。
ただ、わたしは精神的に弱かったのだろう。精神的におかしくなっていたのだろう。
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