3人が本棚に入れています
本棚に追加
ただしハイレグに胸と太腿がこれだけアピールされている部分を除いての話だ。
レイは考えた、近くの街までどれほどの距離があるのだろか?
「うん、とにかく川を目指そう」
何かと、いちいち声に出すのはここが夢の世界だからだ。想像力が道を切り開く。声に出せばより実現することをレイは経験から知っていた。
子供の頃はよく声に出して、お菓子の家などを出現させていたものだ。
レイは遠くに見える山々を確認して、水源が流れ落ちそうな方角へと歩き始めた。
森の中に分け入り地形を読みながらひたすら歩く。夢の中とは便利なモノだ。これだけ、もう一時間余り起伏の激しい道を歩いても、汗もかかなければ喉も乾かない。
そんなことを考えていると、遠くから水が流れる滝のような音が聞こえ始めた。
「当たりね!」
何事も想像力だ、レイは流れ落ちる小さな滝と滝壺を見つけた。水しぶきがミストになってレイの露出された肌をひんやりと撫でる。
「あっ!」
一瞬この水に飛び込んだら気持ちが良いだろうな、などとレイは考えてしまった。
想像力が発揮され、顔から汗がしたたり落ち体が火照る。それからもう一つ想像してしまったことがある、こんな場面では必ず誰かが……。
「まさか、考えていても仕方ないし泳ぐわ」
ブーツを脱ぎ太刀を外し、胸に巻いていた赤い大きなマフラーを外す。ボディースーツのファスナーを思いっきり引き下ろし、圧迫されていた胸元を両手ではだけさせ、そのまま膝まで下げて後ろに蹴っ飛ばした。
滝壺から溢れ流れる水は深く蒼い。レイは間髪を入れず美しいフォームで水面に飛び込んだ。
水の中で心地よい水圧を楽しんだ後、水面に上がりゆっくりとしたクロールで滝壺まで泳いだ。仰向けになって背泳ぎ、そして平泳ぎで滝壺と川辺を往復する。
「川の底には宝石なんてあるかも……」
レイは想像力を働かせながら思う。
両手を揃えて川底に向け、両足をピタリと揃え水面の上に一瞬の動作で持ち上げる。
下腹部から爪先まで露出された身体が、すぐに水中に呑み込まれた。
手はそのまま揃え、バタ足で体の浮力に抵抗する。行き足が止まったので肺の空気を三分の一ほど吐き出し平泳ぎに切り替えた。
最初のコメントを投稿しよう!