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ローンを組んで買った我が家。
白い壁を君が気に入って買ったんだっけ。
チャイムを鳴らすと、君がドアを開けてくれた。
ふわりと香るハーブのアロマ。
いつの頃からか、君が炊くようになったアロマオイルだ。
何の香りか分からないけど、結構強いんだよね。
今日は柑橘系か。
「はい、パン」
「ありがとう。夕飯、出来ているわよ」
「今日は何?」
「お素麺にしてみたの。今日も暑くって……」
確かに、彼女の体から汗の香りが漂っている。
「確かに、暑いね」
僕は彼女の頭に手を伸ばす。
びくっと、彼女の体が震えた。
「髪が……跳ねてるよ」
「あ、ありがとう」
優しく。
優しく彼女の髪を撫でつけてやる。
「……愛しているよ」
「わ……私もよ」
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