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……うわぁ。
こんな話し方や笑い方、しちゃう?
いつも真面目で落ち着いた、穏やかな人だと思ってたのに、意外性、ありすぎ。
もっとこの人を、知りたい。
この人の傍に居たい。
身近に年の近い男性なんて誰も居なかったから、こういう時どうしていいかなんて全く解らないけど―――。
今、初めて気付いた、頬と胸の熱さ。
143センチしかない私が俯くと、50センチ位高い先生からはきっと顔は見えないから、気付かれない筈。
「…知華子ちゃん?
……おーい、知華ちゃん?」
先生が私を呼びながら腕を掴んでいた。
「こっち、曲がらないと。
このまま俺んち、連れてっちゃうよ?」
くつくつ笑う先生の言葉に驚いて辺りを見ると、既にうちのマンションの前にいた。
「日中に眠気が来ると思うけど、夜まで我慢すること。
少しとは言え運動してるから、多分今夜はぐっすり眠れるんじゃないかと思うよ」
先生は、いつもの穏やかな笑顔で、少し屈んで私の顔を覗き込みながら説明してくれた。
私が頷くと、先生は頭をぽふぽふ、と撫でて帰って行く。
どうしよう、凄く嬉しいんだけど、頭が働いてくれない。
私は暴走しそうな心をどう静めたら良いのか、全く見当も付かなかった。
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