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………寝るのが怖い。
私はベッドの上で正座をしたままじっと枕を見据える。
宮にはお茶のペットボトルとフェイスタオル。
あゆみ先生お薦めの安眠効果のあるアロマ、ゼラニウムを少しハンカチに落として、これも宮にセット。
大丈夫、今なら眠気MAX。
何も考える間もなく3秒以内で眠れる。
だからどうか、今日こそぐっすり眠れます様に。
怖い夢、見ないで済みます様に。
私は組んだ指が痛くなる程、強く握って祈った。
私、黒河知華子、16歳。
幼い頃からヴァイオリン奏者としての活動をしていたんだけど、16の誕生日を過ぎた辺りから母が吟味した「婚約者」が来はじめて……ストレスで不眠に。
それがきっかけで、ついに演奏会で大失敗。
母やその婚約者殿はいい機会だからと結婚を迫り始めて……私は家でも外でも油断出来ず、見つからない様に常に怯えて逃げる日々を過ごしていた。
親友でボディーガードをしてくれるジョディが居なかったら、今頃子供、出来てるかも…って、想像するだけでぞっとする。
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