最終話  いつでも傍に

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「そうだろうな。あの物語は唯一無二。オレたちだけで作った話だからな」 「それで検討されてるのが、3週目4週目もやってみりゃ良いと……」 「えっ……」 全員が言葉を飲んだ。 またアレをやれと。 2週目の焼き増しで許されるのか、あるいは全く違うストーリィを生み出さなくてはならないのか。 高評価を維持し続けるにはどうすればいいか。 皆が戦慄する中で、妙に元気な連中もいた。 「よっしゃ。じゃあアタシが一肌脱ごうか。半裸の男どもを下僕に大陸を練り歩く、エルイーザ様のイケメン道中記だ!」 「待ってください。今度は学園ものにしましょうよ。恋と友情が涙を誘う青春ものに! マリウス様を主人公に、そしてワタ、ワタシがヒロインに!」 「ミステリィなんかどうかしら? 閉鎖された島で殺人事件が起きて、伝説の碑文に寄せたトリックが。それを名探偵ルイーズがサクッと解決するっていう……」 「みなさん落ち着いてください! これファンタジー! 全年齢対象のファンタジーRPGですから!」 途端にまとまりを無くし、自分勝手に盛り上がり始めるメンバーたち。 やれ正装はブーメランパンツだの、やれ幼馴染みとの三角関係だの、犯人は邪神だのと全速力で方向性がばらけていく。 そして見計らったかのように、ゲームが再起動されてしまう。     
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