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なぜなら、そこにあったはずの古い木造の家がなく小さな神社が建っていたからだ。
(家を出たときは家だったのに......)不思議に思い中に踏み込んでみるが、特に何も起こらずがっくりと肩を落とした。すると、突如白い鳥がコウシの目の前に木の札を落としていった。
その札には綺麗な字でこう書かれていた。
『願いをひとつ叶えてやろう……』
その言葉に興味を持ったコウシは、常に持ち歩いているボールペンを取り出し書き始めた。
コウシは異世界に行ってみたいと前から思っていたので、その事を書いた。
願いを書き終えた瞬間、木の札が光を発しながら消えた。
コウシはその現象に目を白黒させ(俺……病気かなぁ)と、思いながら神社を後にした。
玄関に入ると、目の前に大きな靴が綺麗に揃えられていた。
コウシは、この靴が誰のものかを理解するのに3分もかかってしまった。
その靴はコウシの父のものだ。コウシの父は陸上自衛官でめったに家にいないのである。
部屋を覗いてみると、ぐっすりと日ごろの疲れを取るかのように眠っていた。
父の気持ちよさそうな寝顔を見ていたら、強い眠気がコウシを襲った。
コウシはジャージのままベッドへと飛び込み、吸い込まれるように眠りについた。
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