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「バレク先生!」
少年はドアの前で生徒手帳をかざし、開くとすぐに中に転がり込んだ。
「アルヴィくんか。どうしたんだい、そんなに慌てて」
「クラスの奴らが放課後サッカーしようって言ってたから逃げてきた」
「…偶にはクラスメイトとも交流した方がいいと思うが」
「いいんだよ、僕はここが好きなんだ」
本に手を伸ばしていた司書は軽く溜息をつくと、棚の端にある赤いボタンを押した。一部の本棚が動き出し、小さな通路が生まれる。
「はい、鍵。施錠時間までには帰るんだよ」
「ありがとう」
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