14人が本棚に入れています
本棚に追加
大貴と離れて、2ヶ月。あっという間だった。高校受験も終わり、無事に高校に入学できた。
電話が来た。
「はい。」
「友萌ー。」
「香奈どしたの?」
「中学のさ。大貴って覚えてる?」
「もちろん。どうかしたの?」
「とうとう亡くなっちゃったらしいよ。」
「えっ!?外国行ったんじゃ…。」
「いや。それ嘘だよ。病院に入院したの。ずーっと重い病気にかかってて、余命が少なかったの。」
「えっ。ちょっと待って。耳に何も入ってこない。」
「だろうね。今からメールで大貴の家の住所送るから行ってきな。」
「うん。」
メールが来た。絶対に嘘に決まってる。ドッキリだよね。準備をして家を出た。
チャイムを押した。すごいきれいな家だ。
「こんにちは。鈴木友萌です。」
「あっ。いらっしゃい。」
扉を開けてもらい中に入る。
「お邪魔します。」
「大貴からよく聞いてたわよ。友萌ちゃんのこと。」
「あの、大貴が亡くなったって嘘ですよね。」
「いや、ほんとなの。これ大貴から。ずっと友萌ちゃんに嘘をついてたみたい。」
「あ、そうなんですか」
涙が止まらなかった。ずーっと泣いていた。大貴のお母さんはずっと近くにいてくれたらしい。
きっと私のことを思って嘘をついてくれたんだろう。私が立ち直れなくなることを知っていて。悲しいけど優しい嘘だと思った。
最初のコメントを投稿しよう!