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確かに初めて会った時は整った顔立ちだという認識でいたが、生活を共にするうちに見慣れてしまったとでも言おうか、土方をイケメンだと思う気持ちはすっかり消え失せていた。
「…毎日見てるとそうでもないよ」琉菜は淡々とそう言った。
「まー贅沢な悩み!」祐子はそう言ってクスリと笑った。
「まあとにかく、これからどうするか考えないとね。警察やテレビ局に電話しなきゃ」
「テ、テレビ局?」
琉菜は目を見開いた。悪い予感は当たっていたのかもしれない。
「そーよ。あんたのこと、すごいニュースになってたわ」
「ま、まじ?」
琉菜は慌てて携帯を取り出し、自分の名前を検索してみた。
『京都市の女子高生、入学式直前に失踪』
そんな見出しが検索画面のトップに踊っていた。
『京都市在住の女子高生、宮野琉菜さん(15)の行方がわからなくなっている。一緒にいた母親の証言によると、目の前で突如姿を消したという。警察は事件事故の両面で調査し、情報提供を呼びかけている…』
琉菜はそのニュースサイトのコメント欄を見た。
『突如姿を消したって、魔法?神隠し?』
『母親がショックでそう言ってるだけなんじゃねえの』
『2ヶ月も見つからないし、残念だけどどっかで殺されてるでしょ』
などなど、様々な憶測がそこには書き込まれていた。
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