3.屯所へ(後編)

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「ああ。もちろんだ。しかしどうしてまた急に?」  土方は近藤をじっと見た。 「このままこいつを追い出して、ふらふらしてる所を長州のやつらに取られたらどうするんだ。あいつらなら、汚い手も使ってこいつから情報を得るかもしれねえ。もしこいつが未来の事実を吐き出したらそれこそ向こうに分があるってもんじゃねぇか」 「ははっ、なるほどな。確かにそうだ」近藤は面白そうに笑った。  琉菜はそんな2人を見ておそるおそる切り出した。 「あのー…チョウシュウってなんですか?あと、ジョーイ?っていうのは…」 「お前…知らないのか?長州も攘夷も?」土方が信じられないといったように琉菜を見た。  琉菜がこくりと頷くと、土方は文字通り頭を抱えた。 「本っ当に未来から来たのか?」 「はい」 「じゃあなんで知らねえんだ。お前にとっちゃ過去のことなんだから知ってるはずだろ!」 「あたし歴史苦手なんです。毎回赤点を取らないで済むことだけ考えてたくらいですから」  言ってから、内容の半分も伝わらないであろうことに琉菜は気づいた。 「近藤さん、前言撤回だ。こいつ追い出すぞ」 「おいおい、武士に二言はなしだろう」  土方は悔しそうに舌打ちした。 「で…あの、チョウシュウとジョーイって?」     
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