3.屯所へ(後編)

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 沖田は先程近藤らに説明したのと同じように語って聞かせた。中富は口をぽかんと開け、最終的にはあんぐりと言った方が近いくらい開いた。 「こいつが…?オレの、し、子孫?」 「まあ、なかなか信じがたいと思いますけど…」沖田は苦笑いした。 「中富さんは、今日から琉菜さんの生き別れたお兄さんってことで」 「はい!?」  土方が口を開いた。 「全員に未来がどうのという話をする気はない。それなりに事情がねえ限り女を入れるわけにもいかねえし。こいつは訳あって身よりがなくなり、唯一の肉親である兄を頼ってここまで来た。どうだ?」 「どうだって…」 「お願いしますよ中富さん」沖田がすがるように言った。 「お願いします!」  全員が琉菜を見た。琉菜は頭を下げた。 「あたし、他に行くところがないんです。中富さんの協力が必要なんです!」  中富は琉菜を見、しばらく黙り込んだ。  そしてふぅ、と息をついた。 「しょうがねえなあ」 「いいんですか!?」琉菜はパッと顔を上げた。 「これで賄い当番もあんまり回ってこなくなるだろうしな」 「中富くん、よろしく頼むぞ」近藤が言った。 「承知」  琉菜はじっと中富を見つめた。  ありがとうございます。  それと、よろしくお願いします、お兄ちゃん。     
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