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入学式…終わっちゃったかもなぁ…
ありえない。
でも、これ現実なんだよね。
夢にしてはリアルすぎるし、長すぎるし。
あっちの世界はどうなってるんだろ…
考えれば考えるほど、琉菜は言いようのない不安に襲われた。
向こうの世界がどうなっているのかも全くわからない。
帰り方すらわからない以上、しばらくはこの世界でうまくやっていくしかないのだ。
琉菜は携帯を鞄にしまった。
今悩んだって答えは出ないんだ。
とりあえず、あたしは今から幕末で生きてかなきゃいけないんだ。
琉菜は自分にそう言い聞かせ、現代文明の利器を視界の外に追いやった。
「やってやろうじゃん」
そう呟いたそばから、琉菜は無意識に一筋の涙を流していた。
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