普段の圧力

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煙草を、半分煙にしたところで、 「とおりゃんせ、とおりゃんせエ」 誰かが、童歌を歌っているのが耳に入った。 五人くらいの、子供の声だ。 辺りを見渡すと、少し離れた広場の端に、いつの間に来たのか、子供逹が輪になって、くるくると、或いはくねくねと、躍りながら童歌を歌っている。 その輪の真ん中にいるのは、我が憧れの、麗しの君。 「今日は、会えました。」 俺はちょっと、嬉しくなった。 「子供が、好きなのかな?」 そんな事を思ってもいて、ふと、違和感が出た。こんな早朝に、【と言っても、七時半。】子供逹が?子供逹の背格好を見ても、未だ修学前。 そんな子供逹が、早朝に、公園で? 「もしかしたら、早朝保育?」 最近は、夜遅くまで働く親や、早朝に働きに出る親の為に、夜中から早朝にかけて、子供を預かる、早朝保育が在ると言う。 「なら、大変だな!」 その時だった、公園の向こうの茂みに、ボロボロの格好で、右手に曲がった金属バットを持った男が現れた。 俺は、ギョッとした。 男のカッコもそうだが、男の目付きが危ない。 そう思ったら、身体が勝手に動いていた。 子供逹の処へ、ダッシュしていた。 それと同時に、その男がバットを振り上げて、子供逹の中へ突っ込んで行った。 一足遅れて、俺が子供逹の輪に分け入った。 「ギャッ!」 短い叫び声を上げて、あの娘が仰け反った。 パッと血飛沫が、上がる。 俺は男に、飛び蹴りを見舞った。
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