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記憶のなかのひと
僕は旅を続けている。
この世界の多くは荒野だ。
飲み水は精霊が運んでいるものを分けてもらう。
精霊は悪しき者には水を分けない。
僕はそれを知らずに昔、水を得られずに命が尽きるところだった。
それを救ってくれたのが、僕が今探している女性だ。
女性は渋る精霊に水を分けてもらうと、僕に飲ませた。
これからは世を恨んではいけないよと諭して去った。
あれから僕は彼女を探し続けている。
忘れられないのだ。
僕は記憶のなかのあの人に、恋をした。
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