Alones

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昨日はかなりツイていた日だったと思う。 理由の一つはいい天気だったこと。誰かと出かけるとき、殆どの場合は雨が降る。お陰でさほど仲が良くない野郎から部活の応援に来てと、真剣に訴えられた。一片の下心無しにだ。 もう一つ、昨日、運が良かったと思える理由がある。それは、笹塚をきちんと誘拐出来たからである。 昨日、夕日を見ていたとき、私は彼に紙パックのミックスジュースを手渡し、案の定彼はゴクゴク飲んだ。そこに睡眠薬がミックスされていることに気づかずに。 私の手元に紙パックが戻って来たとき、かなり軽くなっていた。もちろん、笹塚は数分後には深い眠りについていた。 私がこの日記を書いているのは、自己満足の為が半分、もう半分は、これが自己紹介になるからだ。死んだら秘密にすることなんて全くない、そのときに『私』についてしっかりと分かって欲しい。だから、今も日記を書いている。 誰でもいい、この日記を読んだ人は何故笹塚って人を眠らせたかったのか不思議に思うだろう。なので、しっかりと話そうと思う。 私が笹塚を眠らせた理由、それは、彼が本当に私のことを好いているのかが知りたかったからだ。 昔から彼は私を襲ってくる。もう、襲い癖があると断言出来る。そして、その頻度がどんどん高くなっている気がする。一昨日も襲われた。 付き合いたてのときには大好きと何度か言われた。だが、彼の中では「大好き」の回数とセックスの回数が反比例するのだろうか、最近彼の口から「大好き」だの「愛してる」だのちっとも出てこない。どうせなら「月が綺麗ですね」でもいいのに。 ともかく、私は笹塚に好かれているのか全くわからない。
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