1人が本棚に入れています
本棚に追加
玻璃はおずおずと差し出されたかばんを受け取って。嫌な予感を感じながら、ゆっくりと江雪に聞いた。
「ねぇ、江雪。あなた、………いつからそこにいたの?いるんだったら、言ってよ!!」
「すまなかったな。玻璃が、どうやら幸せそうな回想に耽っていたかと思いきや、突然一人で悶絶し始めたのを見て、何も見なかったことにして帰ろうか、迷っていたんだ。決して、悪気があったわけじゃないんだよ。」
そうすまなそうに頭を下げる江雪。だが、その口元は。
「ニヤニヤが隠しきれていないのだけれど、江雪!
大体、ほとんど最初っからいたんじゃないの!
さっさと出てきなさいよぅ!」
「で、玻璃。白夜はまだか?」
「あ、無視なの?無視しちゃうの?
………ふーん。無視するんだ。」
「まだ白夜の荷物がロッカーの中に残っている、と。この様子だと、まだ帰って来てないようだな。
だそうだぞ、楓雅。」
「………ねぇ!無視しないでよぅ!」
最初のコメントを投稿しよう!