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玻璃と白夜は同じ小学校の出身である。
とはいえ、白夜が玻璃の通っていた学校に越してきたのは小学5年の時であるから特別長い付き合いとは言えないのだけれど。
白夜が転校してきた初日は酷い騒ぎだったと玻璃は思い出す。
見たこともない銀髪と紅眼。
浮世離れしたその端正な顔立ち。
誰もが彼には近寄りたくなくて、関わりたくなくて。
それなのに、誰もが彼から目を逸らせず、誰もが彼についての話をしていた。
曰く、「化け物」「親がいない、魔物の子」「気持ち悪い」
が、彼にそんな言葉の暴力は全く通じなかった。
痛くもかゆくもないのだろう。
いつもどうでもいいという冷めた瞳で皆のことを見ていて。
そんな中玻璃は、白夜が転校してきて、初めてその銀髪と紅眼を見たとき他の人のように「気味が悪い」とは感じなかった。 むしろ、ただ純粋に興味を抱いたのだ。
未知のものを解明したいという欲求。
それはだれしもが持っているものだろう。
玻璃は白夜が自分を<クラスメート>ではなく<金剛 玻璃>として認識してくれるようになった日を今でも鮮明に覚えている。
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