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 仕方ないので今日はお開きだ。元はといえば俺が悪いんだしな。とにかくこいつを家まで送り届けなければならない。色々思うことはあるが、目の前のことで手一杯だ。考える余裕はない。  正直、今はこの状況がありがたい。このままこいつの介抱にかまけていたい気分だ。  俺は泥酔した郁人を見る。とんでもないことを聞いてしまった。しかも発言した張本人はこのざまだ。今夜のことを覚えていないという可能性もある。いや、そっちの方がいいのか?  どうにか郁人を家まで送り届け、玄関にも鍵をかけさせる。ドアを引っ張ってきちんと閉まっていることを確認する。 「よし、ちゃんとかかってるぞ」  ケータイ越しに郁人に声をかける。電話の向こうでは郁人が、んー、と生返事をする。 「今日は悪かったな。お前、もう寝ろよ」 「ん……」  聞こえてるのかいないのか。切るぞ、と言うと郁人が、あ、と声を上げた。 「……おやすみ」 「ああ……」  おやすみ、と言いかけて電話は切られた。このやろう。  とりあえず、俺も今日は帰って寝よう。明日の郁人の態度を見なくては、俺もどうしていいかわからない。俺はため息をついて空を仰いだ。街の光に負けて、星はほとんど見えなかった。
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