第一章 キマリゴト

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第一章 キマリゴト

私の心の中には決まり事がいくつかあって、それを破ることは自分の心が許さない。 甘ったれた考えなんて、いらないと思うから。 限界まで自分を追い込むの。 高2の夏、日差しが特に強い今日。 嫌だなぁ。 先生から補習のプリントを受け取った時は、現実が受け入れられなくて。 "補習" たったこの2文字だけで私を地獄に突き落とすのだから、先生は地獄の閻魔より怖い生き物なんだろうな。と、バカみたいなことを考えながら陸橋を渡る。 何よりも憂鬱なのは、奴等がいるということ。 私のことを虐めたがるクラスメイト。 でも、特に目につけない、触れない、関わらない。 これが私の決まり事。 補習に呼ばれても誰かに言ったり、ましてや愚痴ったりしない。これも決まり事。 異性と関わったりしない。 これは絶対に破ってはいけないキマリゴト。 守らないといけないものは、守らないといけないから。私は、自分を失うのが怖いから。 こうしてキマリゴト達に縛られて生きるしかない。 肩身が狭いのは確か。でも、私が悪いのも確かなの。 だから、どうか教えてください。 私は、どうしたらキマリゴト達から解放されるのかな。
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