1章 拙者、葛尾政重

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拙者に対して者、葛尾政重(くずおまさしげ)と申す。 早速で悪いのだが、読者の諸君。 このタイトルを見てどう思うだろうか。 「おっ、まじ!すげぇ」だろうか、 はたまた「嘘乙w」と思うであろうか。 拙者も後者側の人間だったでござる。 ………本当に体験するまでは。 事の発端は至ってシンプル。 拙者はいつものようにお気に入りのPC (マリィちゃん仕様)で3chを荒らしまくっていたでござる。 すると、ある垢が声をかけてきたのだ。 「もしもし、今お時間いいですか?」 「まぁ、これ見る暇はあるかw」 軽く煽りを吹っかけられたので取り敢えず乗ってみることにしたでござる。 「デュフwいいでござるよぉww」 最初は同じオタク仲間の悪ふざけだとばっかり思っていたでござるよ… 「ありがとうございます。」 渾身の一撃とも言えるオタッキー返答が通用しなかったでござる…。 「ところで貴方は異世界はお好きですか?」 「好きでござるよォ?w」 「なるほど。ジョブは何が希望とかありますか?」 「貴様、愚問であるぞ。ジョブは勇者、これ以外認めん。」 「なるほど。どのようなシチュエーションがお好みですか?」 内心、だんだんと人間味を感じられなくなってきたでござる…。 「デュフwそりゃあイケメンになってモテモテハーレムヒャッハー以外認められない算段でござるよww」 「なるほど。かしこまりました、政重様。」 うん、そりゃあニート歴10年の拙者と申せども、見ず知らずの人に教えもしてない拙者の名前をズバッと的中されたらびっくりもするでござるよ。 これぞ正しく『蛇に睨まれた蛙』である。 しかし、「かしこまりました」以降コメントが更新されることはなかった。 「結局嘘でござったかw嘘乙ww」と打ってブラウザを閉じて、よくやる乙女ゲーを開いたでござる。 もう少しでマリィちゃん編完全クリアという所で微睡んでしまったでござる。 あぁ、もう少しでクリアだったのに。 あ、そうだ。どうせなら次やる時は別の選択をしてみたいでござる。 …拙者の意識はここで終わった。
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