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「茜は親友だからな。」この言葉が心に突き刺さる。私だって早く忘れたいのよ。ばか。
そう言えば朝から持ちきりの噂…。まさか知らないことはないと思うんだけど…。
「ねぇ、いつの間にあやめと付き合ったの?」
ブゥーっと飲んでいたコーラを吹き出す。
「ち、ちょっと、汚いんだけど。後ろに飛んできたじゃない。」
ゴンゴンと背中にヘットバットを喰らわせてやる。
「いきなり変なこと言い出すからだろ?」
「えっ?まさかまだなの?」
「つきあってねぇ。どこからそんな話が?」
「あんた知らないの?高校掲示番」
「俺携帯持ってないぞ。」
「…。」そうだった。学年1位を争うイケメンも、アナログ男子なんだった。
「あんた、あやめとバイトしてたんでしょ?」
「げっ、なぜそれを?」
「あんた自分やあやめが有名人だと認識してないの?」裕は小学校MVP選手。あやめはピアノの中学チャンピオン。また私と組んでいるバンドは四日市ではかなり名が知れている。そこのドラムとキーボードなんだぞ。
「バイトが終わってからも、仲良く腕を組んで闇に消えていったって書かれてるわよ。」
「確かに昨日月島さんとコンビニバイトしたな。けど、まさか拡散されていたなんて…。」
恥ずかしそうにしている裕。もう、頼りないやつだな。
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