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この男なにを言ってるんだ?あやめの態度や行動を見ていたら100%以上あんたのこと好きだろ?まぁ私は本人に聞いたから確証はあるが…。
「あんたねぇ…。あやめは…。」というとこで止まる。あやめのこと私が言っても良いのか?いや、それじゃあ二人のためにならない。私はあんたらに優しい嘘をつくよ。
「あやめの気持ちはわからないけど、あんたなら大丈夫だよ。親友の言葉を信じろ。」軽くは背中をおしてやるよ。私の悲しい嘘を封じ込めるために。
「ああ、ありがとな、茜。もっと月島さんに信頼してもらえるように頑張るよ。」
「…。」この男、石橋を叩いてもわたらないな。何処かの野球解説者が言ってたけど…。まさに裕にぴったりの言葉だ。
「もう、馬鹿なんだから。」私は彼の背中に顔を埋める。裕、ごめんね。涙で背中汚しちゃうよ。
はぁ、今日は裕ちゃんと帰れなかったな。まぁ、年に一度、今をときめく月島グループの会長であり、高齢になりつつあるお父様の誕生日。娘がでないわけにはいかない。裕ちゃんとの交際に支障が…。えっ、交際!!私ったら何を…。
「あやめ。いくら裕ちゃんと帰れなかったからって、落ち込んでちゃお父さんにも失礼になるよ。」
テラスで夜風に当たっていた私に、姉が声をかけてくる。
「むう、お姉ちゃん、また裕ちゃんっていった。私だけの特権なんだよ。」
「ふっ、あんた呼んでないじゃん。」クスクス笑われる。
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