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「自宅じゃ呼んでるもん。」
「本人に言わないと伝わらないぞ。」
「い、言えるわけないじゃんか!」
「はぁ、全く…。私があやめなら言うけどな。」
「んっ、もう本人に裕ちゃんって言ってるじゃん」
「違うわよ。裕ちゃんが好きってことよ。」
「!!えっ、お姉ちゃん?」
「私達双子じゃないけど、容姿も、スタイルも、服のセンスも好き嫌いな食べ物も皆一緒じゃん。好きな人のタイプも同じなのかもね。」
「…。」私は言葉を失う。私と姉が唯一似ていないのは、性格だ。お父様に聞いたんだけど、私の母は物静かな人だったらしい。一方の義母静枝さんは活発な女性だ。父の秘書が勤まるのもわかる気がする。お姉ちゃんは美人で性格も明るい。私より人気が高いのだ。そんなお姉ちゃんに裕ちゃんをとられたら?私には勝ち目がない…。
「えいっ。」「痛っ。」姉は私のほっぺをつねってきた。
「あんたねぇ。私に勝てないとか思ってない?」
「容姿も、スタイルも一緒なのよ。性格が明るいお姉ちゃんに勝てるわけないじゃない!」私は泣き出してしまう。
「はぁ、私裕ちゃんと出会ってから一年半位たってるの。」「だから何よ。」
「それだけ日数がたっても、裕ちゃんに触れられないのよ。」
「!!」そうだ、お姉ちゃんは、高校に入ってから私の真似をして裕ちゃんの腕に絡みついたことがある。裕ちゃんの女性恐怖症はわかっていたけど、私の振りをすれば…。だったんだけど、裕ちゃんは呼吸困難に。慌てて救急車で運ばれたことがある。
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