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そして今、君は僕と一緒にいる。
君に何も不自由はさせない。君が僕のものになってから、僕は必死になって正社員の仕事を見つけ働き始め、入籍も一ヶ月前にして引っ越しもした。
僕は君を一生守りたい。君が僕の事を覚えていなくても、僕はただ君と一緒にいたいんだ。
「おまたせ、グラタン出来たよ。」
グラタンとサラダを作った愛しい君が、僕に振り向く。
私は振り向きながら思った。
(まさかこんなにうまくいくなんて。)
子犬のような目で私を見つめる彼に、くすりと笑いながらサラダを手渡す。
あなたは知らない、私が記憶を失っていない事を。
だって私は知っていたんだもの、あなたがずっと私を見つめていた事を。
そして思ったの、この人に幸せにしてもらおうって。
ただ一つの誤算は歩道橋であなたに手を掴まれた事くらいかしら?
あのせいで落ちるタイミングと受け身をうまく取れなかったのは焦っちゃったけど。
逃さないわ、ずっとずっと私に尽くしてね。
だって、それがあなたの幸せでしょう?
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