五月雨のライトニングガール

新生活のスタート！

彼女は、季節外れの嵐の中を、閃光とともに舞い降りてきた――。

他の誰でもないあなたへ、今回は彼女と初めて出会った時の事を話そうと思う。本当におかしな話だけれど、あなたならだまって聞いていてくれるよね。

私、早川詩乃(はやかわしの)にとってこの春は、元々彼女がやって来る前から忙しくて大変なシーズンだった。

3月の初めには運命の高校入試の合格発表に中学校の卒業式、その前後には制服の採寸や用具の購入などの入学準備をしていたと思う。卒業式から入学式までは3週間くらいあったけれど、クラスの卒業旅行に部活の後輩が開いてくれた送別会と、ひまにならないくらいのスケジュールが埋まっていた。

4月に入り念願の第一志望校への入学式を迎えると、そこからはもっと忙しくなってしまって、何日間かオリエンテーションを受けた後に始まった通常授業は、中学より難しくなったせいか、内容がなかなか頭に入らなかった。宿題も結構出されたから、家でもあんまりのんびり出来なかった。